>>白金ニューヒツジホテル

日報(230428)

四月二十八日(晴れ)

翌日から大型連休、皆何かしらに備えるだろうしきっと今晩の営業は凪ぐだろうと扉を開けながら不謹慎な予想をしていたが、見事に的中し終日凪いだ。こういう時のヨミだけは恐ろしいほどに良く当たる。すでにラグが出来つつある日報を書き進めたり、入荷した『会社員の哲学』(これが本当に面白い)を読み進めたり、凪の過ごし方もすっかり板についてきた。あまりにも狼狽えなさすぎるのもどうかとは思うが、良くも悪くも諸々の挙動が自然体に近づいている。

シンカワくんが来店し、YouTube投稿の進捗を話してくれた。しばらく停滞していたが合間に上げた某キャラクターを用いた動画がまたもや軽くバズったらしく、相変わらず誰をターゲットにして良いかわからないと言っていた。バズりの甘い罠。再生回数やいいねの数で競われる仕組み上ある程度仕方のないことかもしれないが、「こうすればバズりやすい」という法則が見つかっていく中で次第に物自体がそちらの方へ寄っていく。オリジナルのコンテンツが評価されない一方で何かしらの流行りを模したものが評価されてしまえば、(その媒体では)最終的にそういうものばかりが残り溢れていくだろう。みたいなことを思いながら、それでも未だSNSから離れられずにいる。

シンカワくんと入れ違いでナナシナさんが来店。新しい本(マガジン)の準備が佳境に突入して、その息抜きで訪れたとのこと。話の流れで以前ナナシナさんから作成途中の小説を共有してもらい読んでいたものの感想を伝えられずにいたことをふと思い出し、とはいえ随分前のことでほとんど忘れてしまっていたので、覚えている部分を伝えた。

夜更けに来店した某氏が来るなり面白いことがありましたと言うので聞くと、この間職場の研修でたまたま隣に座った人がスマホにひつじがのステッカー(4周年で配ってたやつ)を挟んでて、思わず声をかけてしまいましたとのこと。そんな偶然ある?

ノベルティで配ったステッカーを所有物に貼ったり挟んだりしてくれる人が思いの外たくさんいて、それだけでも十分に有難いことだけど、それが店から離れたところで偶然居合わせた人たちの話題(共通項)の一つになってるって聞いて、改めて作った甲斐を感じた。