>>白金ニューヒツジホテル

日報(230420)

四月二十日(晴れ)

原稿を一本書いて、来客があるまで日報を書き進めていた。暇があればあるほど文章は書けるが、暇であればあるほど書くネタがない。悩ましい限り。とはいえ始めてしまった以上できるだけ長く続けたい。

某氏が年始の挨拶に来店。ずっと行かねば行かねばと思っていて、今日は朝からひつじがに行くぞと思い家族にもそう伝えていたとのこと。気持ちがうれしい。その前に立ち寄った(某氏のバイト先で飲んできたとのこと)のが蛇口からレモンサワーがある店で、いつになく酔いましたと報告されるが、大体いつも楽しそうにしているのでその変化に気づかず、いやでも確かに顔見ると少し赤いねと言いながらソフトドリンクを出した。今年に入ってからどんなことをしたのか報告を聞きながら、もう今年もそんな報告を受けるぐらいに月日が経ったのかと内心ざわつく。この調子だともういくつ寝るとお正月が来そうで恐ろしい。

近くでお酒を造る某氏が来店。数日前、仕入れの合間に久しぶりに軽くお酒を飲みに寄ったら、律儀にこちらにも立ち寄ってくれた。仕事がはやい。久しぶりにと書いたがよくよく話を聞いたら半年近く顔を出せていなかったようで、少し反省した。その間に起こった出来事を色々教えてもらう。同じ時間を過ごしたとは思えないほど話題に富んでいて、あれこっちはこの半年何してたっけ、と唖然とした。それでも同様に久しぶりに来店した某氏が「ひつじがも前回来た時から色々変わりましたね」と言っていて、見慣れたから気づかないだけで店も日々何かしらが変わっていたことがわかり少し安堵。自分の顔と一緒で、いつも見てたらなかなか変化に気づかないのでこうやって時折顔を出してくれる人が教えてくれるのは有難いことだと思う。近々何かしらの形でコラボしましょうね、と話を帰り際にした。

終日穏やかな日。いつもより少し早めに凪いだ店で先日某氏から借りた本を読む。

店内にも本はあるが持参した本を読む人も多く、先日カウンター席に座った某氏が鞄から出した本を静かに読んでいて、落ち着いたタイミングで「何読んでるんですか?」と尋ねて見せてもらった本が面白そうだったので「これは面白そうですね」と伝えたら読み終わったら貸すよと言われ、本当に日を改めて持参してくれた。こうやって貸したり借りたりが気軽にできるのも紙の本の魅力。本を介してお客さんと会話ができるのが、とても楽しい。