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【全日本ZINEファンクラブ】23通目

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この連載はかもめと街 チヒロさんと好きなZINEをそれぞれ紹介しあうというコンセプトで始めました。毎月10日(シモダ)・25日(チヒロさん)の月2回、それぞれのサイトで往復書簡を公開します。前回のお手紙はこちら

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かもめと街 チヒロ様

あっっっという間に2024年も下半期に突入しましたね。今年に入ってもう半年も経っているのが信じられないですが、とはいえこの暑さ、日々確実に夏の気配が迫ってきているのを感じます。

夜型の生活にすっかり体が適応してしまい、日中太陽の下を歩くだけで相当なダメージを喰らいます。自ずと定期的な水分補給(主にビール)を体が欲し、営業中の酒屋に駆け込んでジョッキを煽るのがこの時期の定番になりました。夏は苦手なんですが、ビールの美味しさだけはこの季節に勝るものはないですね。

前回も素敵なおすすめありがとうございまいした。『花を刺す』の表紙はまさにエレガント・エディションという感じで目を惹きますね。そして「金子さん」がめちゃめちゃ気になります……

『Super Book』のデザインもすごく良いですし、スーパーのバックヤードに興奮する気持ちもわかります。たまにお手洗いがバックヤードの中にあるタイプのスーパーがあって、そこをお借りするときになんだか入っちゃいけない場所に入っているような、悪いことをしているようなドキドキに駆られてしまいます。

あとは息を吐くように誤字脱字をしてしまうので、『自分でやってみる人のための校正のたね』は必読な匂いがぷんぷんします……笑

今回は先日福岡で開催されていた「10zine(テンジン)」で購入したZINEを紹介させていただきますね。

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『親訳 2歳児語辞典』(編集:母)

「アーチーマン(アンパンマン)」や「きぅきぅたっ(救急車)」など、2歳児特有?の語彙が辞典チックにまとめられていて、出てくるワードの可愛さに一目惚れして購入しました。

我が家にも1歳児がいて、「あ」「ば」「ま」「ぱ」「ちゃ」などの文字を組み合わせて意思表示をしているんですが、ごく稀にこの単語を言おうとしているんだなとわかることがあります。ご飯の時に「まんま」と言ったり、こちらを見て「ぱあぱ」と言ったり。

もう少し自我が芽生えたらそれこそ色々なものを独自のワードで言うようになるんだろうなと思うと、それをまとめて辞典にするのも楽しそうだなあとこのZINEを読みながら思いました。

さてここで問題です。『2歳児語辞典』に出てくる単語なんですが、「ぴちぴちまーみぃ」は何を意味する言葉でしょうか。

(正解はこのお手紙の最後に書きます。笑)

 

『捨てられない紙』(荒木酒店)

これはもうタイトルの通り、捨てられずに手元にある紙について語られているZINEです。これが本当に良くて。なくなってしまったレストランのペーパーナプキンや寝台特急のシャワーカード、お寿司屋さんの包み紙などが入手当時の思い出とともに紹介されているんですが、どのページも紙愛(かみあい)が溢れていてとても素敵。

実は『捨てられない紙』というZINEは元々ライターのスズキナオさんが作られていて、荒木さんが同タイトルの作品を作っても良いかとスズキさんに尋ねられ許可をもらってから、今回荒木さんなりの『捨てられない紙』を作られたとのこと。

自分が作りたいなあと思っていたZINEをふとした時に見つけて「しまった!やられた!」と思うことは僕も度々あるのですが(先に紹介した『2歳児語辞典』もそう)、そこで終わるんじゃなくて同じコンセプトのZINEを(ちゃんと許可を取って)作ることができるのも個人の制作物ならではだなぁと思います。

その後荒木酒店さんの『捨てられない紙』をスズキさんがXで紹介されているのを見かけたんですが、その投稿で「こうやって増えていったら楽しい!」と書かれていました。粋ですね。

 

『へべれけ人生3』(荒木酒店)

荒木酒店二連発になるんですが、以前のお手紙でも紹介した『へべれけ人生』シリーズの続編も今回の10zineで初売りされていて、酒好きとして買わずにはいられないと迷わず手に取りました。

今作もコラムにエッセイ、酒気帯び日誌に酔っ払い短歌とお酒にまつわるあらゆる内容が詰め込まれていて読んでいるだけで自ずと上機嫌になってしまいます。特集ではキッチンドランカーならではのつまみが紹介されていたり、「最近の若い人は〜」から始まるセブンで豪遊する話だったり、日常を楽しまれている様子が存分にあらわれていてとても良いです。そしてイベント購入特典として付いてきたステッカー(肝臓を捧げよ!)も最高。隅から隅まで酒飲みの心を鷲掴みにするZINEでした。

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テンションが上がって早起きしてしまうのはわかりますが、それにしても3時半は早すぎますね……!笑 東北はほぼほぼ足を踏み入れたことがない未知の領域ですが、今後文学フリマ的なイベントがどんどん開催されて盛り上がっていったら良いですね。そしてそのイベントにかこつけていつか東北にも伺いたいです。

エッセイを書く人のためのワークショップもものすごく気になります。今回紹介した『捨てられない紙』みたいに誰かの作品に影響を受けてZINEを作られる方もいらっしゃるでしょうし、チヒロさんが先生ならきっとみんなエッセイを書きたくなるでしょうね。お互い月に一度のやりとりですが、毎回何かしら挑戦されていて素晴らしいですね。めちゃめちゃ刺激を頂いてます……!

チヒロさんがワークショップをされている頃ひつじがでもZINEの販売会「カウンターvol.2」が開催されます。

それこそZINEを作り始めた人たち向けの小規模な販売の機会(と締め切り)をと思って企画しているのですが、おかげさまで今回も県内外から初参加してくださる方が何人かいらっしゃって、こういうイベントがなかったら出会えなかったかもしれない人や作品に出会えるのが始まる前から嬉しいです。し、機会を作ることの大切さを身にしみて感じています。

まだvol.2が終わらないうちから気が早いですが、10月には「カウンターvol.3」も計画しています。3ヶ月刻みは一瞬すぎて常にバタついていますが、自身のアウトプットもそろそろ本腰入れて頑張っていきたいところです。

ではでは、暑さにはどうぞお気をつけて。

次回のお手紙も楽しみにしてます

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かもめと街のチヒロさんと毎月25日と10日にそれぞれのサイトでzineを紹介し合う連載を始めました。

次回更新は「かもめと街」です。

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「ぴちぴちまーみぃ」は「緑の枝豆」でした。「びちびち・ぴちぴち」が「みどり」、「まーみぃ」が「まめ、枝豆」を意味しているとのこと。2歳児の言葉って素敵ですね。