>>白金ニューヒツジホテル

【全日本ZINEファンクラブ】19通目

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この連載はかもめと街 チヒロさんと好きなZINEをそれぞれ紹介しあうというコンセプトで始めました。毎月10日(シモダ)・25日(チヒロさん)の月2回、それぞれのサイトで往復書簡を公開します。前回のお手紙はこちら

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かもめと街 チヒロ様

大型連休も終わり、いよいよ夏……かと思いきやここ数日また夜天気が崩れたり肌寒かったりする日が続いてますね。

昼間の陽気に騙されて薄着で外出し、帰り道夜風にやられる日が何日かあって軽く体調を崩しました。周りでもこの季節にも関わらず風邪をひいている人が続出しているので、チヒロさんもどうぞお気をつけください。

『喫茶店の人』はシカクのイチオシイベントでも紹介されていました。店主たけしげさんのプレゼンが魅力的すぎて皆さん次々購入されたので、僕が物色した時にはすでに売り切れてしまってて。とはいえサンプルを読ませてもらった時に「おお、これは絶対にチヒロさんが好きなやつだ」と思っていたので、チヒロさんがこの本を紹介されてとても驚きました。さすが。気にはなっていたんですが、ますます読みたさが募りました。ああ、シカクに行きたい……!

『高崎ビジネスホテル探検記3』も佇まいからすでに面白そうな匂いがプンプン漂ってきますね。素敵。ビジホなんてどこも大体同じだしなるべく安く泊まれたら良いな〜ぐらいでいつも予約しているので、そこにどういう愛を向けられているのかすごく興味を惹かれます。(表紙が黄色いのも素晴らしいです……!)

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『ナンプラーマン 魚醤男』(ワダヨシ)

数年前にイベントに出店されていた「本のあるところajiro」のブースで見つけて買いました。ajiroは書肆侃侃房という福岡の出版社が運営する詩歌や海外文学が充実している本屋ですが、そのラインナップの中にポンとこの本が置かれていたのが面白くてつい。

バンコクの喫茶店で「小規模な手づくりナンプラー醸造所を見学したいなあ」と呟くところから始まり、あれよあれよと話が進んで醸造所に行くことになって、それで実際に見学したナンプラーが出来上がるまでの工程が写真と文章で紹介されています。ナンプラーの造り方自体はとてもシンプルなんですが、その単純な工程の中に所々アナログな手法が残っているのがなんともいえず良いです。あと、瓶詰めする機械の名前が「セミ・オートマチック・フィッシュソース・フィリング・マシン」と無駄に仰々しいのが最高でした。

 

『STAFF ONLY』(松本千里)

昨年福岡で開催されていたZINEの即売会「10zine」で購入した手製のZINEです。8名の会社員に仕事の話をインタビューしたものが掲載されているのですが、全員匿名で「マルさん」や「ポメさん」など犬の名前が当てられているので込み入った話もなんだかゆるく読めてしまいます。(表紙に描かれている9匹の犬のイラストが8人の会社員プラスインタビュアーの「イヌさん」です)

自分ができないことを、他の人がやってくれている。

他の人ができないことを、きっと、自分がやっている。

もともとZINEや自費出版の本を手にとるようになったのも自分が知らない誰かのことを知りたいという気持ちが強くあったからというのが大きくて、引用した一文を読んで改めてその気持ちを思い出しました。

あえてサイズの異なる紙を表紙にしていたり(内側の黄色が差し色になってて素敵)、インタビューページは紙を二つ折りにしていたり、細かいところに手製本ならではのこだわりが表れていてつい手に取ってしまいたくなります。

『ハロー!ぎなぎな吟行記』(伊藤すみこ)

この本は先月(もう先月!)ひつじがで開催したZINEやリトルプレスの即売イベント「カウンター vol.1」で販売していました。著者の伊藤すみこさんとは面識はないんですが、イベントの情報をどこかで見つけてくださって参加表明をしていただいて。得体の知れない初開催のイベント、ましてや他県開催のそれに加わってくださったのがとてもありがたかったです。

短歌の友人と吟行した時のエピソードが日記調に書かれていて、後ろのページにその時作られた短歌が掲載されています。先に日記パートを読むことになるので、それが短歌の情景を思い浮かべる捕捉情報のようになって面白いです。野球場や公園、ショッピングモールみたいなどこにでもある場所が舞台になっているんですが、だからこそ余計に当たり前の風景をこういう風に切り取るのかという新鮮な驚きを感じることもできて、少しだけ短歌を作る人の頭に近づけるような気持ちになります。だからと言ってそう易々と作れないのが短歌のむずかしいところなんでしょうが……

あとこれは完全に余談ですが、ハローの後に「!」がつくと、それだけでもう某プロジェクトを連想してしまうので不思議です。

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いよいよ今週末は文学フリマ東京が開催されますね!

初の入場有料開催で現地がどう変わるのか気になりますし、すでにSNSで色々な新刊情報(どれも本当に面白そう!)が飛び交っていて、それらを現場で手に入れられる人たちへの羨望の念が日々募っています。行ける人がほんとうに羨ましい……!

チヒロさんも今回出店されるとのことで、ぜひ次回のお手紙で文フリ当日の様子を教えてください

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かもめと街のチヒロさんと毎月25日と10日にそれぞれのサイトでzineを紹介し合う連載を始めました。

次回更新は「かもめと街」です。

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