九月四日(晴)
開店前。関西からきた大学生の取材対応。博士論文で福岡のとあるカテゴリの場について取り上げるとのことで、そのカテゴリにひつじがも入っていたらしく連絡をもらい、なんだか面白そうなので話を受けた。場の成り立ちや、昨今の周辺環境について質問され、思いつく限りのことを答える。店を初めてから四年半、正直忘れていることもたくさんあるので誰かの問いによって思い出したような気持ちになれるのは有難い。丁寧に手土産まで持参してもらって、ほくほくでそれを受け取った。
そうこうしていたら20時になったので、看板を出さねばと腰を上げるとほぼ同時に階段を人が上がってくる音がして、店内で待ってもらって階段を駆け降り看板を出し、開店。知人に聞いて来店してみたかったとのことを早速言われ、ますますほくほくになる。
その後は恐ろしいまでの凪。もうしばらく凪が続いているので、そんじょそこらの凪具合で動揺することは無くなったものの、それでも「恐ろしい」と思ってしまうぐらいの凪。こういう時間に書き物系を進められたら良いんだろうけど、いつ誰が来るかわからない状況で集中を切らさずにいるのはむずかしい。よって手近なところにある本をつまみ読みしながら時間を過ごすことになる。これはこれで有益。なんてことを言ってたらアメリカに留学していた某氏がおよそ一年ぶりに来店。卒業までの残り半年を福岡で過ごすらしく、近況を色々と教えてくれた。そして偶々東京から来た某学生も残り半年で卒業するらしく、福岡と東京それぞれの学生生活についてそれぞれの話を聞いた。東京で学生をしている某氏に言わせると福岡にいると緩みすぎるとのこと。確かに刺激と緩和のバランスで言うと、多少緩和よりなところはあると思う。それが居心地良いか悪いかは人それぞれ。自分にとって果たして居心地が良いのか、話を聞きながら別のところで考えていた。