>>白金ニューヒツジホテル

日報(230509)

五月九日(晴れ)

連休明けの余韻か、この日も来店は少なかった。人の流れは読めないので一日二日単位で多寡があるのは当然だし、それで一喜一憂しないように長い目で見るように心がけてはいるが、一日単位で書かねばならない日報に限ってはその長い目が通用しないし、誤魔化しが効かない。以前続けていた日報をやめた理由もおおよそこの辺りにあるが、それを理解した上で再開したわけなので、一喜一憂をなるべく溢さないようにしつつ、でも嘘は書かずに続けていきたい。

作業や読書をしながら静かな店内で人を待っていると、仕事帰りスーツ姿のトモさんが来店。氏はいつもTwitterで独自の川柳を添えながら来店の投稿をしてくれるが、ある時偶然写り込んだ店主の姿が霊的にぶれていて、以降毎回「店主の霊」と称して画面の中に店主を写してくれるようになり、こちらもその期待に答えるべくトモさんがカメラを構えたら小刻みに揺れてブレ(セルフモザイク)を演出するようになった。いつもと同様にカメラを構えられたので、いつも同様に揺れたが、撮影した写真を見てううんと唸り声をあげたので、揺れが足りませんでしたかと確認すると、「いや、大丈夫です」と返答があり、無事に店主の霊が投稿されていた。

トモさんを見送った後は霊の存在すら必要とするぐらいに誰の気配もすることなく、そのまま閉店時間を迎えた。これは淡白な日報になるなあと思いながら、店の扉を閉めた。