>>白金ニューヒツジホテル

日報(230426)

四月二十六日(晴れ)

開店とほぼ同時に某カフェのオーナー氏が店の常連さんを連れて来店。二人でよく将棋を指すらしく、お酒にも興味があるらしい常連さんと話してたらひつじが(酒×将棋)のことが思い浮かんで紹介したかったとのこと。将棋を始めた頃にはまさか将棋をきっかけに店の話をしてもらえるようになるとは露程も思わなかったが、入り口は多いに越したことはない。紹介してくれた某オーナー氏と、暇を極めて将棋に手を出したおよそ三年前の自分に対する感謝の気持ちで胸が一杯になる。

店にある将棋盤を引っ張り出して早速対局。「シモダさんも一局どうですか?」と誘われたが、途中でお客さんが来るやもしれぬという淡い期待のもと、観戦者に徹した。結果数局の間誰も来ることがなく杞憂に終わったが、上級者同士の戦いは見ているだけでも充分面白く、仮にこの時間帯に迂闊に対局して負けでもしたらその日の営業に何らかの支障をきたしそうだったので、断っておいて良かったと内心ホッとした。強い人と将棋を指すこと自体は勉強になって良いので、閉店間際(その日の営業のことを考えなくても良い時間帯)にぜひお手合い願いますと猛者達に伝えた。

数駅隣でギャラリーカフェ(バー)を営む某氏が常連の某作家さんを連れて来店。来月店で催す展示のフライヤーを受け取る。関西の作家さんが催す写真展とのことで、今は積極的に県外(国外)の作家に声をかけていると言ってた。数日前に来店してくれた現在近くのギャラリーで展示をしている作家さんも県外の人で、福岡にいながら福岡以外の作家さんの作品が観れる機会が増えてきて嬉しい。意識して街を見渡せば、面白いことをやっている場所はたくさんあるし、面白いことをやってる人もたくさんいる。そういう情報は意外とインターネットでは出てこなくて、歩いてたり話を聞いたり、そういうものの中からふと溢れるように見つかることが多い。見落とさないようにしたい。

YouTubeやSNSで動画の投稿をしているシンカワくんが来店。このホームページのギャラリーで見れるこれも彼がつくったもの。ちょっと前につくった某キャラクターを使ったアニメーションがバズったらしく、その後どの路線で行くべきか悩んでいるとのこと。YouTubeアニメはほとんど見ないが、今年の正月帰った実家で甥っ子が熱心にテレビで見ていたコンテンツを思い出し、それを伝える。自分が面白いと思うものと、世間が面白いと思うものが必ずしも同じだとは限らない。その中でどこに照準を合わせるか。まずはそこを考えないことには始まらないのではなんて話をしながら、それは店も一緒だなと心の中でブーメランが突き刺さっていたけど、それは彼には伝えなかった。自分が面白いと思うものと、世間から面白いと思われているものの間でどうバランスを取るか。はたまた傾けるか。その塩梅をずっと考え続けている。