>>白金ニューヒツジホテル

日報(230530)

五月三十日(雨)

気温はそこまで高くないはずなのに、湿度のせいかいやに蒸し暑い。開店するも人が訪れそうな気配もなく、黙々と諸作業を進めた。人が訪れそうな気配、何を持ってそれを判断しているのかは自身よくわかっていないが、とはいえ何となくそう感じた時のそれは大体当たっているので不思議。いっそ外れてくれた方がいいのに。不思議。

届いたばかりの『ハーフ・フィクション』を一読した。今回の本もさすがと唸ってしまう内容、そして光具合。当方筋金入りの旧市街民を自称しているので、オルタナ旧市街さんを認識して以降ネットプリントも毎回しっかり印刷して読んでおり、今回収録されていた話の一部は事前にそれで知っているものだった。それでも本の形で読み返すと(その他の話との繋がりもあってか)また違った印象を受けておもしろい。書籍の形である重要性を他人の文章でまざまざと知る。

ワサビさんが友人を連れて来店。近況を聞く。市内の酒屋に勤めるハジさんが来店し、福岡の焼酎市場やそれを踏まえて福岡で焼酎のイベントを催す意義について話した。自身が焼酎に(明確に)ハマるきっかけになったのがおよそ10年前、当時二十代中頃で参加した焼酎のイベントで、そのイベントを主催した人たちの年代に今の自分が到達した。奇しくも同世代の蔵元や酒屋と知り合い、まるで10年前のその人たちをなぞっているかのように関係性が構築されていっている。旗を振る気概は現状ないものの、誰かがその旗を振った時にいつでも乗っかれるように準備はしておきたいし、そこに乗っかる人が一人でも増えるように日々焼酎フリークを増やす試みに力を入れていきたい。

某局のラジオを聞いてくれた人から「有名になりましたね」と連絡を貰った。むしろあまりにも無名が過ぎて来店者が少なく、危機感を抱いて出演を受けましたと返したら泣き笑いのスタンプが返ってきた。泣き笑いのスタンプほど便利なものはない。